武者修行と言うには・・・あまりに情けなく~最終話1/2

赤土を踏み締めると、地面に水分が上がってくる。整備のために入ったブルドーザーは、まるで散水したかのようなしっとりとした路面を作り出していた。雲が厚みと灰色を増してきた午後1時、早々と上がりを決め込んだkazuを残して、水気で滑りやすくなったコースに走り出していく・・・RMがウサギ、CRFがカメで、バトル再開だ。

転倒上等!と思い切れない分、中途半端なライン取りばかり。コーナーの外側ギリギリを走ってみたいのに、右肩のおかげで、走りが萎縮しているのがわかる。“直線番長”得意のストレートも、転倒の恐怖からか早めに右足がブレーキペダルを踏み込んでしまい・・・加速している時間が極端に短くなっている。ストレートエンドも納得がいくまでには突っ込んでいけていない・・・。

巨大なワダチにも挑んでみるものの、RMはいとも簡単に反対側へと弾かれる。マシンが寝ていないし、スロットルも開いていない・・・だから、当たり前と言えば当たり前。頭ではわかっていても、身体が固まってマシンを思ったように動かせない。バタつくRMをあざ笑うかのように、深い溝にきっちりと合わせて立ち上がってくるCRF150RⅡ。午後も同じような展開だ。

<今日のところはここまで・・・次回に続く>