せっかく勝ったのに・・・

空荷のBongoが風に揺れる。さらっと雨が流れては、フロントガラスに点々と雨粒が光る。しばらく走ると、乾いた風が、また車体を揺さぶる。ダルトワで悩んだ末に選んだ“苺のショートケーキ”も、助手席で小さく揺れている。橋から見下ろす利根川は、群馬の方で降った大雨のせいで、かなり増水していた。

先週、海で灼き過ぎた背中は、ボロボロに皮膚が剥け始めている。いくら掻いても痒くて痒くて・・・上手く動かない右肩をあきらめて、左腕を背中に回して、そこかしこを掻きむしる。手のひらに当たる素肌が、妙に温かい・・・体温を感じるほど、気温が低いのかもしれない。助手席の窓を少し開けているだけで、十分涼しいし・・・大きく息を吸い込んだ時、胸がむせ返るような、息苦しいほどの暑さは・・・もう来ないのだろうか。

倉庫の前でサボっている大きいお姉さんを見つけた。軽くホーンを鳴らして合図すると、こちらに気がついて、笑って手を振る。お店は、この天気のせいか、三組ほど先客がいた。まだ午前中なのに・・・がらんとした店内を想像していただけに、ちょっと調子が狂う。その後も、にぎわいを見せるWESTWOOD。大きいお姉さんも、倉庫とお店を行ったり来たり・・・ケーキを手渡せただけでも“御の字”といったところだ。とりあえず頼んでおいたブリジストンのリヤタイヤを出してきてもらって、何とか会計をすませる。kubo-chanの代わりに、じゃんけんのお相手は大きいお姉さん。約束どおりに、可愛い手のひらが広がるその先に、チョキを出した・・・。

せっかく、じゃんけんに勝ったのに・・・ブーツもヘルメットも、合うサイズの在庫がない。できれば、もう少し・・・“大きく”育ちたかった。結局、タイヤチューブをひとつ、半額にしてもらって、店を出る。1時間以上も長居したのに・・・11時30分、物足りないままに来た道を戻っていく。お盆前に来るかどうかは・・・来週の天気次第かな?抜け駆けしても怒らないでね、iguchi師匠!