転ばぬ先の新品タイヤ

どこかで日付が変わったみたいに、雨は上がり、雲が切れて、空に青色と太陽が戻ってきた。ぽっかり空いた土曜日、午前中をXR230のタイヤ交換に充ててみる。丸6年、1万キロを超えるまで、一度も換えることのなかった前後のタイヤ。真ん中のブロックは、四角い形が消えて、すっかり無くなっていた。始めはフロントタイヤ。ビードもすぐに落ちるし、タイヤをめくり上げるのが簡単だ。ホイールに新しいタイヤをはめるときも、タイヤレバー要らず・・・両手で押しつけていくだけで、「スポッ」と音が聞こえるくらい、あっさりとビードがリムをくぐっていく。気持ちがいい。あとは、いつもの手順で作業を進めて、最後のビードをリムに押し込むだけだ。

フロントタイヤに比べると、リヤタイヤは、ずいぶんと手がかかる。おまけに古くて固くなったタイヤは、ビードストッパーも無いのに、いくら踏みつけても、ちっともビードが落ちてこない。タイヤとホイールの境目を、かかとで何周踏み続けただろうか・・・「ズボッ」という音がして、足にかかっていた力が抜けると、いきなりビードが落ちた。タイヤが落ちる瞬間、ホイールとの隙間から、茶色の土埃が吹き出す。やっとタイヤレバーの出番だ。ミシミシと繊維が引きちぎられていくような音をさせながら、リムからタイヤをめくりだしていく。これが新しいタイヤになっても、ほとんど変わらない。ホイールの半周を過ぎると、タイヤレバーには、かなりの抵抗が伝わってくる。それでも裂けるような音も感触も無いのは・・・タイヤが“生まれたばかり”だからかもしれない。

12時を過ぎて、1時近くになってから・・・ようやくXR230のタイヤ交換が終了。削り取られたブロックの分だけ車高が上がって、少し凛々しくなった。これで、安心してツーリングに出られる・・・初めて一人で岐阜まで出かけるryo・・・途中でパンクしたからといって連絡されても面倒なだけだし、転ばぬ先の何とやらだ。半分は餞別みたいなもの・・・何かあれば浪花のsumiちゃんもいるし・・・初のソロ&ロングツーリング、たっぷり楽しんできてくれ!