あみプレミアムアウトレット 3

一緒にいるのが“カミさん”だということ、ryoはアバラがひしゃげているので走れないこと・・・そして、午前中で上がって、“あみプレミアムアウトレット”に連れて行く約束をしていること・・・。もの珍しそうにBongoを窺う視線のひとつひとつに、そう答えて廻る。#82を付けたYZ250は、バーニーさん。この前いつ会ったのかも忘れてしまうほど、ずいぶん一緒に走っていない。そのカレが、少し憂いのある、憐れんだ薄い笑みを見せる。もちろん、ryoの怪我の具合を心配しているわけじゃない。同じことを聞いたら、ワタシも困ったように笑ったはずだ。ワタシの午後は・・・どうやら「ご愁傷さま」らしい。

時の人keiを連れ立って、スネークヒルの縁に上がる。ここからなら、コースを一望できるし、足をすべらせたりしなければ、一番安全なところだ。MCFAJもイバMOTOも、先週日曜日の練習も・・・このところマディコンディションで始まる日ばかりだったから、ホームストレートから第二コーナーが白く照りかえすのを見ているだけで、やる気が出てくるというもの。9時を過ぎて、Kidsの駆るKX85Ⅱがゆっくりとコースを回り始める。「ryoはどこで怪我したの」と聞く横顔に、KXがインフィールドをたどるのを待って「今右に曲がってきて・・・あそこ、あのジャンプだよ」と、奥の林の方を指さしてやる。ベンチコートを引きずるほどの体が、肩をすぼめて、さらに小さくなった気がした。

<次回に続く>