ひばり

何かの罰を受けたから、まっすぐ上にしか飛べなくなった・・・小学校の国語だったか、道徳の時間だったか忘れてしまったけど、先生にそう教えてもらった記憶がよみがえる。春が近づくのを待ちきれないひばりが、羽音ともつかないジタバタした様子でさえずっている。うるさいぐらいに賑やかで、辺りに通るその鳴き声は、少し湿った灰白色の空に、ひどく孤独な感じで響き渡っていた。やっぱり、白い絵の具を混ぜすぎたように、ぼんやりとふくらんだ水色の方が似合う。

ひばりの真下、掘り返された田んぼの土は、雪が染み込んでチョコレート色にふやけている。ちょっと足を踏み入れたら、靴の底にべったりと、土の塊がへばり付いてきた。そのまま空と同じ色をした舗装の上を歩いていく。足跡がかすれながらしばらく続いていった。雪と一緒に寒気もどこかにさらわれたようで、指先に絡む空気には、ほんのりとゆるんできたような感触が残る、ひと雨ごとに春になるとは言うけれど・・・こう雨にやられては、“魔法の券”も財布の奥にしまい込まれたままになる・・・。今日もまた、雨が冷たく降り出していた。