じゃあ、来週 2

砂利の混ざった月極駐車場の入口。中学校の校庭に設えられたピッチャーマウンドの周り。そして、農道の両脇に広がる田んぼのあちらこちらに、大きくしっかりとした水たまりが残っている。外を明るく照らした陽射しが、フロントガラスから差し込んでは、車内をやわらかく包んでいく。のんびり出てきたというのに、土曜日の割には道が空いていて、人もマシンも荷物も一人分しか積んでいないBongoは、右足を深く踏みこむまでも無く、軽やかな感じで曲がり角を加速する。

最後の坂道、細く続いた舗装の端を、枯れた木々の枝が流れる。途中、一瞬だけコースを覗けるところから、濃く濡れた茶色の斜面に、二台のマシンがへばりついているのが見えた。下りきって、田んぼの周りを右に回り込む。雨あがりのパドックなのに、トランポの列が何本も出来上がっていて、ちょっと驚かされた。関東選手権の前日だけのことはある。コースの上では、85/150ccクラスのマシンが乱舞。フィニッシュテーブルトップを跳び上がる2ストロークからは、路面の状態がうまく伝わってこなかった。

<つづく>