フリー&フル 2

先週と変わらない場所にBongoを入れる。すぐに運転席から降りると、右隣にセンタースタンドを置いて場所取りだ。見渡したところ、今日のパドックはフルサイズマシンがほとんど。ミニモトと言えば、真似する気さえ失せるような走りをする“青ゼッケン”しか見つけられない。その青ゼッケンの集団が陣取っている、ちょうど目の前で、Bongoのバックドアを跳ね上げる。ダンパーのおかげで、のんびりと上に向かっていくバックドア。荷室の右端には黄色のリヤフェンダー・・・今日の相棒は、愛機RM85L。相変わらずのソロ活動も、だいぶ板についてきた。

「人であって人でない」と、みんなが口を揃える“青ゼッケン”も、今では言葉を交わせるぐらいになっている。朝の挨拶がてら、新米パパの恭ちゃんと話し込んでいると、遅れていた濃紺のハイエースがやってきた。ひと筋向こうを走る運転席の中で、右に左に、見慣れた顔がゆっくりと探るように動いている・・・iguchi師匠だ。何度か首を振っているうち、ようやく手招きするワタシに気がついて・・・Bongoの脇へハンドルを左に切り始めた。Bongoの右横に突っ込み、ハイエースから降りてきたのは・・・眠そうな眼をした師匠。「仕事が忙しい」と言っていたわけが、少しわかった気がした。

<つづく>