続 アラバスタに雨が降る 2

<9/2の続き>

イバMOTOの常連、KLX110に乗る二人組が、さっそくコースから帰ってきた。曰く「すっごく走りやすい!」らしい。85マシンよりもさらに小さなホイールは、銀色に光っていて、泥もついていない。しかも、二人揃って同じことを言う。saitoさんの「ご覧のようにベストコンディションです!今日は、最高かなと(^_^)/」と、二人組の言葉を確かめようと、裸の上半身に、急いでプロテクターをあてがい、メッシュ地のモトクロスジャージを頭からかぶる。低い雲に覆われた大地からは、湿り気が上がり、かなり蒸し暑くなっていた。

スターティングマシンとコンパネの仕切りが続く間を、忙しない空吹かしと一緒にゆっくりと走る。雨が滲みて、赤茶けた色の路面を見るのはひさしぶりだ。30番目のスターティングバーを右から回り込むようにして、コースへ入る。まぶしい陽射しの届かないホームストレート、スネークヒルの斜面も、濃い褐色に染まっている。ぼんやりと広がる視界の中、ダブルジャンプの先に、バックストレートを抜けて緑色のマシンが姿を見せた。フロントに#723、tohdohさんのKX250Fだ。すぐに折り返して、また見えなくなる。他にフルサイズマシンと2スト85が、一台ずつ、バラけた感じで走っている・・・。

まばらな排気音の下、くるりとひとつ輪を描いてから・・・水たまりのないホームストレートを、全開で駆けていく。

<つづく>