平日、コソ練 5

<11/1の続き>

スタンディングから膝を曲げて、シートのくぼみに尻を合わせる。左コーナーは、ようやく弧を描き始めたばかり。ステップに載せた右足を、つま先だけブレーキペダルに残して、そのまま浮かしてみる。リヤブレーキは効き続け、リヤタイヤが路面に引っかかるようにして、KXがしっかり減速する。左に旋回、車体の向きが変わったところで、つま先をブレーキペダルから離して、代わりに“土踏まず”を、もう一度ステップに載せる。同時に右手を手前に倒して、リヤタイヤの回転に勢いを戻してやる。外側を押さえつけられたKXが、割に素直な加速を見せて、次のテーブルトップの斜面を短い時間で引き寄せる。用意が間に合わないから、思わず高く跳び過ぎて・・・続くコブの斜面に前のめりに叩きつけられ、ようやくマシンの動きとカラダが同期した。でも・・・「ん!?何か、イイ感じ!?」。SUGOの大坂を下った左コーナーで、IA-1の走りをずっと見ていた甲斐があった。ビッグテーブルトップは、いつもよりも短めに跳ね上がって、逆バンクからスパイン。スパインの頂を越えて見えるダブルジャンプを、65マシンの子どもと一緒に、跳ばずに抜ける。唯一、ゆるい路面にワダチが印されたわずかな直線の上で、左足が忙しく動く。そして、スネークの入口。陽の当らないやわらかな黒褐色が、いい具合にタイヤに絡みつく。

<つづく>