All Japan MX in SUGO 7(完)

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「KYBジャンプ」があった場所は、新庄が名付け親のリズムセクションに生まれ変わっていた。「ルンバルンバ」というのが、何とも彼らしい。のこぎりの歯を立てたように、深くて尖ったコブがいくつも連なっている「ルンバルンバ」。しっかりマシンの動きを捉えているから、さすがはアスリートだ。「KYBジャンプ」の名は、この“ギザギザ”を抜けたヘアピンの先に追いやられていた。目の前のギザギザ加減に、MX408のフープスが、なだらかに思えてくる。しかし、全日本のライダーは、ココをどうやって走るのだろう・・・土に打ち込まれた丸太に寄りかかりながら、じっとコースを眺めているryoも、同じことを考えていた。

スタートラインの方から声がして、IB-2クラスの練習走行が始まった。アナウンスは、少し遅れて耳に届く。もちろんここからは、スターティンググリッドは望めない。スタート練習が何回か繰り返されているのか、マシンの咆哮は、はるか山の下に沈んだままでいる。数本、第1コーナーまでの加速を試した後で、30台の4スト250cc単気筒が、一斉に気を吐いた。爆音が連続して山に響き、大坂が震える・・・IA-1の華麗な“舞い”に口がポカリと開いて、左コーナーを回る時に右足がステップから浮いている“新技”に気づくのは、それからすぐのことだった。