ラストファイト! ~6

<12/7の続き>

午後の本番は50ccクラスの次、2レース目だった。土を入れたばかりで、まったく張りの無い最終コーナーやホームストレートは、昼休みにブルドーザーで踏み締められたばかり。平らに補正された、その路面をフルサイズマシンが深く傷つける前に・・・saitoさんの心遣いで始まった最初のレースは、思いとは裏腹、刻まれたワダチに緩い泥がかぶさっただけの路面に苦しむマシンが続出して・・・泥を抱えたまま走るピットレーサーが、いたる所で音を上げていた。

「まずはスタート!」と、MCFAJの時を思い出しては、その失敗を繰り返さないことだけ胸の奥にしまい込んで・・・スターティンググリッドへとKXを走らせる。途中で何度もクラッチレバーを握りしめては、スロットルを大きく開いて、頭打ちするまでエンジンを回してやる。昼休みをはさんで、冷たくなってしまったエンジンも、これで一気に暖まるはずだ。予選はもちろん、抽選も何もない、“早い者勝ち”のグリッドたどりつくと・・・ほとんどのライダーがマシンを並べ終わっていた。

「今日は絶対に左端!」と、これも先月の失敗から学んで、ずっと前から決めていたこと・・・でも、一番左端のスターティングバーは、地面に倒れたままだ。ここは使わないらしい。その隣から数台分は、すでに埋まっている。一番中央に寄ったところに、#211をつけたsudaさんのCRF。2台分空けて、ryoがCRFにまたがっていた。その手前に、ぽっかりと空間があって、そこから左端に色とりどりのマシンが詰まっている。幾度も、そのマシンの列を左右に眺めては・・・行き場所に迷ってしまう。

<つづく>