Merry Christmas! 2

――冷えきった寝室、人の気配がしない居間。厚手のベンチコートに首をすくめたままでたどる、シロとネロとの散歩道。連日この冬の最低気温を更新していく朝に、すべての動きが緩慢になって――前夜の意気込みは、あっさりと砕かれてしまった。予定より20分以上も遅れてからようやく、「最後の一日」に向かい、bongoが駐車場を出ていった・・・もちろん9時から走り始めようとは思ってもいない。年内の最終日、しかも3日のうちでは一番まともな今日だったはずなのに・・・拍子抜けするトランポの数と、それよりも目に付く薄氷が張った水たまりの数々。コースは見るからに泥んこの、湿った茶色に包まれていて・・・その上に陽が渡り、キラキラと光っている。

寒々しい朝のパドックに、それでもtohdohさんのハイエースとtomobeさんのトレーラーが見える。そのまま左へ視線を移していくと・・・深い藍色のハイエースが、スネークヒルに尻を向けてポツンと停まっていた。iguchi師匠のトランポだ。でも、他には子どもたちばかり・・・・いつもの顔触れは、ワタシ以上にのんびりとやってくるのだろうか、それとも昨日のうちに走り終えてしまったのだろうか・・・時折、タイヤがめり込むのを感じながら、ハイエースの左隣へ、ゆっくりとbongoを近づけていく。土に降りた霜の粒が、やわらかな光を浴びて、ゆらめいていた。

<つづく>