枯れ草につつまれて 1

「お昼から行ってみねえか」・・・ひさしぶりに20分単位に刻まれて、okano師匠とmachi-sanと一緒に走る“Aクラス”は、鼻っ柱の強そうな子どもらばかり。徐々に周回速度を上げていって・・・なんて、甘えたことも言っていられない。関東選手権の初戦まで、まだひと月はあるのに、ミニモトもフルサイズも熱を帯びていて、レースさながらの走りが展開されている。選手権に出ようかというミニモトキッズだ、その速さは別格。そういう可愛げのない子どもらが、あっちこっちで喰うか喰われるかのバトルを20分、休みなく続けているからたまらない。コース脇、スネークヒルの下りや第1コーナーのイン側には、彼らの親御さんがびっしり・・・常連三人組は、20分の間、ピリピリした雰囲気に自分の走りを見失い、息も腕も上げて帰ってくる始末・・・。

パドックのど真ん中には、ずらりと大型の“コースター”が並び、2列を潰している。これに嫌気がさしたのか、okano師匠が「河岸を変えよう」と誘ってきた。“魔法の券”を持つ師匠と違って、半日だけじゃちょっと3000円が惜しい気もするけど・・・こうした場面は初めて。最後の20分を走り終えて、すぐにマシンを積みこんで、MX408を後にする・・・師弟のすばやい“逃避行”に、machi-sanが目と口を大きく開いて、ただ笑っていた。

<つづく>