枯れ草につつまれて 5

<2/16の続き>

どの直線にも、大小の不揃いなコブが続いていて、とても座っては走れない。2周目を回りきらないうちに、左の太ももが張ってきた。ちょうど膝のお皿の上から内ももに向かって、力をかけるたびに鈍く痛む。それからも寒風吹きすさぶ中、土手とコースを行ったり来たり・・・okano師匠と二人して、自分たちの好きなように楽しんで走る。途中でココの“先輩”らしきCRF150RⅡに無理矢理からまれたけど・・・それでもMX408じゃ味わえなかった時間が過ぎていく。

跳び下がるジャンプは、わりと好きなほう。何度か挑戦して、ようやく着地の斜面まで、跳びきれるようになった。こうして着地の斜面まで跳び切れるテーブルトップは、やっぱり気分が良い。それが、少し“背伸び”してようやくとなれば・・・自己満足だけど、うれしいものだ。時に片足をステップから外して、横に伸ばして見せたり・・・そんなジャンプが、いつのまにか無くなってしまったMX408。5月の連休明けに生まれ変わった時、ミニモトのワタシでも、すっきりできるジャンプがひとつぐらいあってもいいのに・・・なんて、跳び上がったまま、ふとそんなことを思う。そのまま視線を落とすと、少し腰の引けた黒い影が、白い川砂の上に浮かんでいた。

<つづく>