春よ、来い!

夜も明けきらぬうちから家を出て、駅に向かいクルマを走らせる。東京でも2℃に満たない今朝は、確かに冷え込んでいるけど、風が吹いていたおかげで霜も降りず、それほど寒さは感じない。今日は東京をはるか越えて富士のふもとまでの遠出。府中から出ている“シャトルバス”で連れていってもらうには、この時間に出ていくしかない。さすがにいつもの駐車場から駅までの道のりは冷たく、ピンと張りつめていたけど・・・乗り込んだ急行は、しっかり暖房が効いていて、とても快適だった。

予定よりも早く到着して、初めて乗るバスには余裕で間に合った。8時30分、定刻に発車したバスは、すぐに中央高速に入り、西を目指す。昨日までの曇天が嘘のように晴れ渡り、快晴無風。道路脇の吹き流しもだらりと垂れ下がったままだ。昨夜、多摩にはかなり雪が降ったみたいで、戸建ての屋根に平板のような雪がたんまり残っている。八王子の料金所を過ぎると、奥多摩の山並みが迫ってくる。幹の途中から細い枝の先まで、枯れ木という枯れ木に白い雪がはりついて・・・満開だ。

枝が密になった木々は、すんだ青を背に、繊細な白い枝ぶりを空に映していた。思えばヒルルクも、ずいぶんうまいところに目を付けたものだ・・・もしも桜色の雪が降るなら、いくえにも春が連なって・・・きっと、いい眺めだろう・・・。