枯れ草につつまれて 6(完)

<2/18の続き>

MX408に行くずっと前、MX408へ行くのが特別なことだった日々・・・。

あの頃、夢中で追いかけていたいくつもの背中は、いつしかひとつずつ消えていって・・・今は、目の前を走る、少し猫背の師匠だけになってしまった。その背中に夕陽が当たって、やわらなか橙色に染まっている。muraのことも思い出して、ちょっと切ない感じで土手の上に上がっていくと・・・「おつかれさん!」とヘルメットを脱いで、いつものように笑う師匠。西風がひどくて、とても笑っている場合じゃないのに、二人とも笑わずにはいられない・・・風に流されることのない、ココにしかない時間が、確かにあった。

利根川。河川敷。

matsunagaさんと、橙色の愛機は見つけられなかったけど、忘れていた何かを思い出して、失いかけていた何かを取り戻せた気がする。まだモノにできていないKX85Ⅱと一緒に関東選手権が終わるまで、ココに通うのも悪くないかな?水もトイレもない不便さの中に、自由で楽しい時間が詰まっているから・・・。