Works

「軽」が売れているらしい。

新車販売台数の上位10車種の中に、軽自動車が7台も入っているらしい。ガソリンも高くなったし、ハイブリッド車は端から高いし・・・で、ウチもその仲間入りをして、軽ワゴンに買い換え・・・まったく多数派なのは、ここ最近の傾向だ。そんな多数派の我が家でも、トンガったクルマに乗っていた時があった。そう、ryoが生まれるまでは・・・。

alto works――そんな名前の軽自動車に乗っていたことがある。レース好きには、works(ワークス)という言葉の響きが、すごく心地良かった。

ごく普通の軽自動車「alto」、その軽い車体に“インタークーラー付き”ターボの64馬力エンジンを積み込んだだけの「alto works」。どこか“やらかした”感じが、いかにもsuzukiっぽい。今のsuzukiは・・・そんな無鉄砲なところがなくなってしまったような気がする。shimoda先輩の「RS-X」と違ってワタシが選んだ「RS-S」は、ボンネットの上に開いたインタークーラー用の空気取入口を見なければ、外見は標準のaltoと同じ。後ろ姿は、ママさんアルトと見紛うばかりで・・・まさに羊の皮を被った狼だ。「レッドゾーンは8000回転を越えた」――くすぐったくなるようなCMの台詞は、今も忘れられないでいる。エンジンの吹け上がりも、4スト4気筒のバイクをあおる気分に似ていて・・・乾いて割れるように響く排気音が、ちょっとした自慢だった。

ryoが生まれて、worksは軽ワゴンの「every」になって・・・普通車に“格”が上がっても、あれから角の取れたクルマばかりを乗り継いできている。「人と同じ」と言われるのを嫌っていたはずが、いつの間にか、人と違うのが嫌になっていて・・・何とも情けない。本やCDのように、復刻版があればいいのに――初期型のworksを街で見かけることは、ほとんど無くなった。エコや安全もほしいけど・・・もう一度、アノ興奮に包まれてみたい。