Winding road

気温29℃。うっそうと道に張り出した緑の影を、左右に切り返す――

ただでさえ少ないクルマが、ほとんど関越自動車道の昭和ICへと流れていった。高原野菜の畑が広がる赤城西麓の広域農道を、一気に沼田まで走りきる。最後の最後、それまでの藍色をした二車線のアスファルトが突然幅を失くして、つづら折りの隘路になった。拡幅されるのは、いつになるのだろう・・・。シートの上で少し身構え、工事車両と交通誘導員の間を縫って眼下に望む片品川へと下りていくと、広い県道にぶつかる。右に1kmほど走れば、ロマンチック街道との分岐・・・デジタルメーターの中、時計は13:23を刻んでいる。時間はまだある、少し足を伸ばして金精峠と“いろは”をまとめてやっつけるのも悪くない。もうひとつは・・・「飽きるほどのカーブが続く」・・・今のツーリングマップルには無くなってしまったコメントが誘う、大間々までの名もない峠道・・・。

左斜めに駆け上がるアスファルトを横に見て、片品川沿いを延びる県道62号線にdukeを走らせる。デジタルメーターの時計が、13:24に変わっていた。

<つづく>