3月最後の月曜日

都心に向かう通勤電車。長津田行きの準急に深く腰を下ろして、背もたれに上半身を押しつける。ちょっとした脱力感に包まれた朝、窓の外であふれる春の光にも、チカラが湧いてこない。週の始まり、月曜日が追い打ちをかけるから、読みかけの文庫本を開いても、物語だってなかなか先に進まない。昨日の今日じゃあ、それも仕方がないか・・・。冴えているのは、耳の奥の方だけ。ヘッドホンから流れるポール・スタンレーの声が、閉じた瞳の奥に、右目の黒い星をくっきりと映し出す。雨の上がった空、風が強く吹いていく。