Riding high! 4

<8/18の続き>

打ちつけられるヘルメットを守ろうとして、反射的にすくめたアタマが勢い余って、左に転がり出た。アゴを引いて第1コーナーに向けていた視線を、もう一度フロントタイヤのすぐ先に落す。褐色の上に転がったヘルメットは目の前――もう間に合わない。コッチも反射的に、右の二本の指が反応する。瞬間、わけもわからずヘルメットの右脇に、KXもろとも左ヒザから張りついた。

あれほど気をつけていたはずの左側への転倒――それでも一気に倒れたおかげで、左脚を着く間はなかった。土の表にハンドルバーの端っこがめり込んで、右手の人差し指と中指はブレーキレバーを握り締めたまま。いわゆる握りゴケ・・・ただ、チカラが入っていたのは、右手だけではなかった・・・。

<つづく>