Regret

ウイルスの蔓延する我が家に見切りをつけて、今日も一人、あてもなく外に出る。見上げた空には、西から東へと雲の帯が流れていて、駅伝の中継に映っていた光と影に出会うには、その切れ端まで走っていかなければならないらしい。結局、軽トラの助手席にsunnysportsのパーカーを放り投げて、ステアリングを西に向けて走り出した。

春日部から白岡を抜けていくと、雲が白くかすみのように薄くなり、隠れていた太陽がヴェールを透かして光を差してくる。蓮田をかすめて伊奈に出ると、空はすっかり青く澄みわたり、街に光と影があふれた。サンシェードを落として、さらに西、上尾にある二輪用品店を目指す。

通りのまばらな産業道路を一気にUターンして、到着した赤い屋根の建物。その周りにはクルマがびっしりと並べられ、入口には「満車」の札が立てられていた。駐車場の“アリーナ”、店舗入口の目の前には、色とりどりのマシンが主を待ち、たたずんでいる。明るいフロントガラス越し、dukeを連れてこなかったことに後悔が走った。