On Sunday

「とんでもないコースっすよ、小っちぇえバイクの大人にはホント危ないって」。声の主は、サングラスの奥にやわらかな瞳をのぞかせている。霞んだ空の下、河川敷に砂埃が舞い上がり、けたたましい排気音が高く跳び上がっていく。

「真ん中のでっかいテーブルだって、エイッ!って感じでいくじゃねえっすか。いやー、届かねんすよ、あとちょっとで。最後の最後でケツが引っかかって、おっとっとって・・・アブネェっすよ」。子どもたちがフワッと跳び越えていくのを黙って見ている人じゃない。ただ、手の入ったCRF150RⅡといえども、大の大人のカラダを浮きあがらせるには、チカラが足りないらしい。おまけに長いテーブルトップは、すり鉢の底からステップアップジャンプを跳び越えた先にある。そのすり鉢も、半分くらいに小さくされていては・・・SEが本気で開け続けていっても、跳びきるのは難しいのかもしれない。

「どこで練習してるんすか?利根川の河川敷っすか」。サングラスはそのままに、うっすらとにじんだ額の汗をタオルでぬぐうkatoさん。MX408はお預けになってしまったし、半月板の“座り”も良くなくて「しばらく乗ってない」と話すと、大事にするようにたしなめられた。

右回りのオフロードヴィレッジは左コーナーが少ない。だから、左足を着くのも少なくてすむ。苦手なウオッシュボードがフープスのようになっていたり、ジャンプが多くてヒザを休ませるところがほとんどなかったり、相変わらずきびしいコースレイアウトだけど・・・大きな左カーブがひとつなくなったのは、ちょっぴりうれしかったりする。おまけに練習に夢中のみんなを見ていたら、気持ちも上に向いてきた!