朝の光に

すっきりと晴れた空に、太陽が上がっている。水蒸気の欠片も見えない青から注ぐ光は、まっすぐに勢いよく射して、辺りを光と陰に塗りわける。コートの黒さえ白く光らせる強さに、春先のぼやけた雰囲気はなくて、木々に緑が芽吹く頃のよう。季節はしっかりと、坂を上りはじめている。北千住に向かう電車の中、背中に当たる陽射しに笑顔が浮かんだ。