命短し、恋せよ

「今年は長いよね」と話していた5月の連休も、さすがに尻尾が見えてきた。折り返しを過ぎてしまっては、後は坂道を転がるようにして、下りていくだけ。あっという間だ。初日から、いきなり遠乗りをしたり、わざわざ北軽井沢までモトクロスをしに行ったり。近場の曲がりくねった道を愉しんだり、益子の陶器市を見に行ったり・・・。アクセルペダルを踏む勢いも午後にはすっかり鈍り、それなりに遊び疲れもたまってきたらしい。そんな信号待ち、眠気覚ましにふと視線を横にめぐらせると、道端の看板がときめきをくれた。

こんな粋な学校に通っていたら、きっと恋多き人生を送ることになったはず。そして、最近始めたFacebookのプロフィールにも、得意げに校名を書いているはず。ここを卒業して、中学、高校と青い時代を送る子どもたちに、何ともうらやましい感情を抱きながら前に向き直ると、対向車も後続車も誰も居ない交差点の信号が、いつの間にか青に変わっていた。