無敵

濃紺のプリーツに向かい風をはらませ、白い太ももをあわらに全速力で駆けるJK。埼玉から千葉へ渡る長い橋の上、片側2車線の国道は、クルマが容赦なくその姿を追い越していく。そのたびにスカートが派手にまくれ上がり、背中まで届く長い髪は、気流にあらがえず暴れ出す。素足の露出なんてまったく気にすることなく、乱れる髪を左手で押さえながら、なお全力でペダルをこいでいく。その前を向いた姿に、少しばかりの憂いと大いなる勇気をもらい、アクセルペダルを踏む右足からチカラが抜けた。

バックミラーの中、小さくなっていく少女は・・・まったく無敵だ。