Happy maintenance day 2/2

キャブレター、マフラー、ラジエター。取り外した時とは逆に、順序よく組み付けていく。きれいに洗われた部品で、少しずつ元の姿に戻っていくKX。この時間が好きだから、我が家にはガレージがある。冷却水を入れるために、一度KXをガレージの外に出す。5月とは思えないまぶしさの中、ゆっくりと緑色の液体を流し込み、サービスガイドに書いてあるとおり、静かにエンジンをアイドリングさせる。

チョークレバーを引いたり戻したりしながら、散々キックペダルを踏み下ろして、ようやく真新しいピストンを組み込んだ2スト85ccエンジンが、目を覚ました。くぐもった排気音が途切れてしまわないように、ただ、一気に吹け上がってしまわないように、右手でていねいに調子を合わせてやる。ピストンとシリンダに塗りたくったオイルを燃やして、真っ白い煙が、風に乗って流れていった。