ハナハサク

どっぷり梅雨前線の下に隠れてしまって、太陽が見えるのは北と南の端っこだけ。大地も吸い込みきれずに、行き場を失った雨水は、ところどころ水たまりになって残っている。その水面を、雨が落ちては、また揺らす。足元の水たまりをまたぎ円く広がる波紋を眺めながら、傘も差さず歩道を歩いていると、すぐ脇を激しく水音を立ててトラックが走り去っていった。雨の季節とはいえ、中休みなく一週間も降り続けると・・・たいがい嫌にもなる。ただ、そんな下を向いてしまいそうな日にこそ、ハナハサク・・・。

<つづく>