彼岸 8

ウェーブの張られたバックストレートから曲がって、今はkusabaさんの操る#41の黒い車体が、ギャラリーテーブルをゆっくりと跳ねていく。まっすぐな視線を、フロントタイヤのすぐ先に落としながら。

そして1周を走りきり、最後のテーブルトップを跳ばずになめて、フラッと倒れそうな音でコースの外に出ていった・・・。

ワタシの元に帰ってきたCRF150R-Ⅱから身をはがすと、「うーん、やっぱり反応してくれないなー。ジャンプも怖いよぉ」と一言、ゴーグルを外した奥で瞳を丸くしてから、その片方を器用につぶって見せた。

<つづく>