まだ見ぬ明日へ 5

<10/10の続き>

湯田中の宿に向かう途中、上信越道を長野インターで降りる。

Bongoの助手席にkeiが座り、荷室にはシロとネロが仲良くカゴの中。旅に出る格好も、すっかり変わってしまった。一泊で走れるところは、ほとんど回ってしまったから、バイクで泊まりがけに出かけたのがいつだったか、それすら忘れそうになっている。長野の市街地を抜けて戸隠まで、短絡しない曲がりくねった県道を、携帯のナビを頼りにして上っていく。「そばでも食べようか」と、言い出したのはワタシの方。出先のコンビニで昼を取るのも少なくなった。

新そばには少し早かったけれど、老舗らしく見た目にも香りにもそばの実を感じられる、まろやかな味に満足してから、戸隠神社を背に名もない舗装路を右に分け入る。途中、登山道をいくつも分断して、道は木々の混み合う山の中に続いていく。桜ほどではないけれど、秋映えの時季も、それほど長くはない。道の勾配が緩くなって、乗用車なら20台は停められそうな空間が現れると、その先に鏡池があった。

<つづく>