274.6kmの休日 2

<10/12の続き>

ピンクナンバーの原付二種らしく、国道のバイパスではなくて細い県道を選ぶと、お互いがお互いの姿を奇妙だとシールドに映しながら、弾けるように走り出す。前を行くワタシが中央線に寄って、後ろに着けるori-chanが路肩寄りを走る。見事な千鳥が、埼玉大橋で大きく利根川を越えて、渡良瀬遊水池を正面にして左へ折れる。赤信号で停まるたびに大きな声を張り上げ、信号が変わると同時に加速して、次の赤信号で会話をやり直す。いま来た道のこと、見える景色のこと、すれ違ったバイクのこと・・・走っている二人に、話題はつきない。短く交わす言葉がよく聞き取れないまま、青に変わった信号にあわてて押されていっても気にしない。そして、次に停まれば、また違う話で盛り上がる。

<つづく>