泥とワダチと新しい出会い

たっぷりと盛られた山砂が、コーナーにもストレートにも深く粘りけのあるワダチを刻みつける。腕に覚えのある連中が、ただ一本のベストラインを繰り返し走れば、泥は弾かれ、下にある固い土までいびつに掘り起こされる。ゆるい路面に右手を捻れない連中は、そのベストラインのほかに、思いっきり蛇行したワダチを描いては、その途中で倒れたり立ち止まったり。2週続いた雨あがりのMX408に、愛機85SXの橙色が、次第に褐色の固まりになっていった。

<つづく>