はぐくまれるモノ

同じ湾岸エリア、東京湾を挟んだ反対側から場所を移したことにも気がつかないほど、足が遠のいていた。それでも気になるのは、クルマにもバイクにも夢を馳せて、多感な時期を過ごしてきたからかもしれない。ひととき少年に戻れるのならそれもいいと、無理矢理時間を都合して有明に向かってのは、小春日和の金曜日。海に春霞がたなびくような午後だった。

<つづく>