それでも開けて走る 2

まったく、このまま夏がやってくるのを待たなければ、乾いた極上の路面にはお目にかかれないのかもしれない・・・そう、弱気になってしまうほど、日曜のMX408も雨をたっぷり吸い込んで陽射しに揺らめいていた。土曜日の昨日は、風も太陽も空にあって、すっかりコースを整えてくれたと思っていたのに・・・日陰だけじゃなく、陽を浴びたホームストレートでさえ、重たい褐色に塗りつぶされているのを眺めながら、締まった砂利道を受付へと、静かに下りていく。前に2台、後ろに1台。連なるトランポに、saitoさんが忙しく動き回っていた。

MCFAJの最終戦を来週に控えて、パドックには常連じゃない、ただ馴染みのある顔ばかりが揃っていた。連チャンのざり家と#130のトランポの間から水場のある奥を覗くと、今日の相棒、ori-chanが大きく手を振っていた。近くでMCを転戦する面々が、ゼッケンに彩られたマシンをセンタースタンドに掛けている。その手前に陣取った城北RTのトランポからもマシンが降りていて、パドックの雰囲気は十分だ。ori-chanに指図されるまま、ゆっくりと軽トラを回していくと・・・隣にはもうnagashimaさんが、着替えをすませて笑っていた。

<つづく>