それでも開けて走る

何一つ思い通りに走れなかった。密かに描いたコーナーリングも、フープスに連続したコブを抜けるカラダの使い方も、テーブルトップの斜面をたどる勢いも・・・思ったようには、うまくいかない。どこかで聞いたことのある台詞をヘルメットの中で吐き出しながら、それでも、スロットルを開けてさえいれば、深いワダチも何とかうまく駆け下りられることはわかった。いや教えてもらった。#78を着けたkyo-chanは、できるできないは関係なしに、いいことをひとつだけ教えてくれる。

<つづく>