今、四季を思う

ひな祭りの日に、東京ドームでKISSと再会。それからひと月もしないうちに、ryoが北の大地へと巣立っていった。構える間もなく息子とバイク仲間を一緒に手放すことになり、絶望と諦観の入り交じった左ヒザを抱え、やる気が消えかけたのは菜の花の季節が終わろうとしていた頃だった。

iguchi師匠も体調を崩して、昇格したryoもいない。MCのレースも、第2戦を最後にエントリーさえしなくなった。そんな萎えたココロに、初夏、橙色のまばゆいヒカリが射した。突き抜けた、クセの強い相棒にすっかり心奪われ、新しいホームコースと左コーナーの底に左足をぶつけるのにも慣れて見上げた空には、遅れてやってきた秋の風が吹いていた。

夏に戻ってきたとき、調子が悪くてまともに走らなかったCRF150R-Ⅱ。MX408の走り納めに間に合わせるように帰ってきたryoのため、完調に仕上げたはずなのに・・・今度は直前の雨と寒波で冷たく湿った路面が、まともに走らせてくれなかった。それでもホームコースで眺めた冬晴れは、青く澄んでいた。

いろんなことがあった一年も、まもなく暮れていく。