雨と光と

夜の雲に、月が高く、三日月に滲んでいる。暗がりの中、庭の菜の花はすっかり黄色を落として、菜種をたわわに広げるだけになった。入り日薄れて、おぼろな月夜と言うには、季節は少し走りすぎている。そして明日は、この雲を吹き払うように太陽が上り、大地を照らすらしい。

恵みの雨と光が小さな稲の緑に降り注ぎ、季節はまた先へと急いでいく。