6丁落とし 4

<5/26の続き>

「これって・・・ちょっと小さくないですか?」

このところ、すっかりMX408の主となったtakadaくんが目の前、同じマシンのリヤタイヤをのぞき込んでいる。前後のスプロケットと、チェーンはRKのシールチェーンに換えたばかりのCRF150R-Ⅱ。そのブロンズ色したリヤのスプロケットをしげしげと右から左から眺めて、一言つぶやいた。

「いくつが着いてます?」

「いくつって、わからないけど・・・ノーマルだよ」

「ここに書いてある50って、丁数ですよね?」

「そうだよ、たぶん」

「ノーマルは・・・56ですよ」

「・・・」

そういえば、チェーンのコマ数が合わなくて・・・でも、お店にお任せで出してもらった「3点セット」だったから何も疑うことなく、ホンダが指定するコマ数より4つほど詰めてある。リヤのアクスルシャフトをぎりぎりまで前に寄せて、ようやくチェーンが収まったのも、これでうなづける話になった。

まさかの6丁落とし。まっ平らな直線が300mほどもあるコースなら十分に戦える、最高速重視、まさに直線番長なマシンに仕上がっていた。

<つづく>