時間(とき)が止まったままの

後輪が外れたままのSXの傍らに、CRF150RⅡがたたずんでいる。鉄製のスタンドに傾げた姿は、こちらもイバモトから帰ってきたまま。そのゴールドプレートのチェーンが、わずかに曇っている。高価なアッセンブリの部品を取り寄せても、組み付ける時間さえ惜しまれる毎日、いったい何のためにパソコンに向かっているのか、だんだんわからなくなってきた。せめて次の週末、マシンを走れるようにしてやりたいと願い、ガレージを背にする。後ろ手から離れた扉が、カタッと小さく音を立てた。