贅沢な日曜日

光彩が西の竹林の端に呑み込まれて、空に薄雲が広がる午後。その陰がパドックの半分ほどに迫り、火が入るマシンも数えるほどに少なくなった。それでも遠くCRFをけしかけるように、ヘルメットにゴーグルをはめて、2ストローク85CCエンジンのキックペダルを踏み下ろす。ふと視線を泳がせば、パドックの日だまりの中、Go-Proを着けた彼のヘルメットもマシンの上にあった。

<つづく>