二つの背中に

太陽が大きく西に傾き、それでもまだ真っ青な空に向かって、ヒグラシが鳴き始めた。まったく夏はいい。それも晴れた休日なら、なおさらいい。「暑くて死にそうだ」と、「もう走れない」と、うなだれる顔がどこか楽しげに写るのは、その真っ直ぐなヒカリのせいだ。それが砂煙の中でも、しっかりとワタシを導いてくれる。チェッカーフラッグを受けるそのときまで。そして今日は、ヒカリだけではない、二つの背中が、ご機嫌なSXとワタシを導いてくれた。

<つづく>