幽霊の日

東海道四谷怪談。お岩さんの悲しく虚しい最期は、本当の話なのだとか。

中学生の頃、男女4人で初めて都内の遊園地に出かけた日は、たしか夏休みの晴れた一日。小さな時から暗がりが嫌いで、お化けが大嫌いだったワタシは、その日に初めてお化け屋敷に挑むはずだった。残りの3人に引きずられるようにして屋敷の入り口を腰を低くしてくぐった途端、いきなり横から飛び出た得体の知れない白い者に驚き、勢い余ったカラダは真後ろにひっくり返った。

仰向けの姿のまま見上げた空にも、白いものがちぎれ流れていた気がする。今日は四谷怪談の初演を記念した「幽霊の日」。おどろおどろした記念日は、似合いの湿り気が漂う、涼しくも蒸した一日だった。