うらめしや

空に太陽が上り、朝のヒカリが眩しく街を照らし出す。風が軽やかに路地をすり抜け、雑草の葉の上に光る朝露を、静かに払っていく。アスファルトの端に溜まった砂は白く、クルマのタイヤ痕がわずかな陰影を描いている。ただ、それも今日でおしまいだ。三日続いた明るい空は、明日には見えなくなるという。それならいっそサボってしまおうか・・・ガレージでたたずむだけの相棒に一瞥をやり、その思いを断ち切るようにして、スーツのジャケットへ袖を通す。まだ火の入らないRM85L。いったいいつになったら走れるのか、この相棒にもワタシにも、もうわからなくなった。見上げる空の眩しさが、どうにも恨めしい。