できたら明日も!

ようやく厚い雲が晴れて、西の空に太陽が浮かんでいる。少し愁いを帯びた陽射しにキンモクセイが強く香りをのせ、家路を急ぐハイヒールが、耳障りなほど高い音を響かせる。秋晴れと呼ぶには、昼までの湿り気が肌にまとわりついていて、ちょっと気後れする夕暮れ。それでもたなびく雲が薄紅色に染まり、ほのかに明るい宵の空を瞳に映しては、輪郭のぼやけた歩道を大股に歩いていく。やはり晴れた日暮れはいい。できたら明日も、晴れますように!