長月の終焉

「きっと遠くに行ってしまったんだ」と思っていた青い空が、アタマの上に小さく開いている。そこから太陽がのぞいて、少し乾いた風が通りを走る。ずっと暗がりを歩いているように、ずっと終わらないと思っていた9月が、ようやく終わる。日ごと日の入りが早くなっていることを秋雨でごまかし、急に冷えた夜は昼の蒸し暑さで忘れさせて、ずいぶん長いこと9月だった気がする。明くる月が眩しくあってほしいと願わずにはいられない。外は深い宵闇、月は見えない。