ХХをあきらめて

結局アスファルトは、日が暮れるまで濡れたままだった。午後になってひどい雨が収まっても、灰色の空は、いつまでも通りを冷たく湿らせていた。「濡れたまま 乾く間もなくて♪」江の島の恋を歌った曲が、ふと口をついて旋律になる。これで明日はあきらめるしかないか。北へと走る列車の窓に、西の空が遠くにじんでいる。「このまま君と あきらめの夏♪」初冬に佇むワタシは、いったい誰と何をあきらめるのか・・・。