真夏にまた

どれほど祈っても、叶わないことはある。

北の風が強く吹き、空は青に冴えわたり、

荷室のナノハナに、乾いたヒカリが映る。

なのに霞ケ浦には、saitoさんの微笑だけ。

二人で歩くコース、靴底が黒土に汚れる。

来年の真夏にまた、ここにやってこよう。

静かにつぶやいて、ryoが青い空を仰いだ。