なんかさ、

ryoが北海道へと巣立つ、その姿に会えていたら・・・何と言っただろうか。

小学校に入って間もない頃は、両手に載せられてしまうほどだったカノジョ。すぐにryoの背丈の半分ほどに育ち、秋田の血を引いているだけあってか、それからまもなく、立ち上がるとryoの背丈を越えるまでになった。ただ、それもつかの間、今度はryoが追い越して、それからはだんだんと小さく、瞬く間に歳を取っていった。それはもう、ryoにはけして追いつくことはできない。

家族の誰よりも早く生きて、いつしか高校生のryoに牽かれるおばあさんになってしまった。「じゃあね」と声をかけていたかわからないけど、ハウスメーカーのCMが流れるたび、日長眠っていたタロのことを思い出す。