不馴れな 3

<2/5の続き>

リヤタイヤに期待しすぎなければ、固く締まった路面は旧いMX408を思い出させてくれるだけで、思いの外に具合がいい。2速のまま、コーナーを2つ、テーブルトップを2つ交互にいなしていって、アウトに深く砂の溜まる第3コーナーを、その縁で切り返す。いい気になってフロントブレーキを引きずりすぎたのか、砂に埋もれたタイヤが真横に逃げようとして、一瞬、均整を崩しかけた。

左腕だけでハンドルバーを引き、力ずくで車体を起こしてから、右手の甲を手前に向ける。1つ目のコブを跳び上がる瞬間にシフトペダルを掻き上げて、あとは残る7つに弾かれないように、大きく張った両ヒジでハンドルバーを真っ直ぐにして、コブにぶつかっていくだけ。ただ、握りしめた右手は、最後のコブを越える頃にはもう、うまくブレーキレバーをつかめなくなっている。

だから、肝心のビッグテーブルへの進入が、雑でふぞろいになる。

<つづく>