不馴れな 6(完)

あと何回、この斜面から離陸すれば、あんな風にステップに伸び上がりながら、ふわりと跳べるようになるのだろうか。できたら左の手をグリップから、ほんの少しでもいいから、離してみたい。そんな思いを抱いてまた3速のまま、斜面から勢いよく放り出される。

MOTO-X981。ここを走るようになってまた、エルボーガードを身につけるようになった。それは、カチパンの路面でも長い直線のせいでもない。10年経っても、少しも馴れないジャンプに少し怖くなっているから?いやいや、転んでも痛くないようにしているだけだ。

不馴れな週末が、西日に包まれ、ゆっくり茜色に染まっていく。