冬空の下に集いし 2

<2/19の続き>

「みんな跳べてんだから、いけるだろ」

褐色の向こうに、青い車影が霞む。同じ2ストローク、40ccほど上乗せされた排気量が、ひと回り太ったエグゾーストを白煙とともに弾き出す。あれから、ちょうど一週間。受付のsaitoさんにカミさんの携帯番号を伝え、息子にはLINEを残し、ざりままの軌跡を何度も目で追っては、パドックでハンドルバーの角度を細かく調整する。自分の息子のCRF150RⅡにぶつけた言葉を思い出しながら、フープスの上、自分自身に言い聞かせる。「手前のテーブルは焦らず越えて、ゆっくりていねいに」、そして「跳ぶ、跳べる」と。

<つづく>